なぜそうなるか

家で飲まなくなったお酒をフリマに出すのに、免許は要る?——国税庁は、家庭で不要になった酒類の出品のように「通常継続的な酒類の販売に該当しない場合」は要らないと答えていました

贈り物でいただいた日本酒やウイスキーが、箱のまま棚に残っていることがあります。家族に飲む人がいなければ、封を切らないまま何年も過ぎていきます。

置き場所をあけたいと考えたとき、思いつくのがフリマサイトやネットオークションです。服や本と同じように、写真を撮って出せば誰かが買ってくれるかもしれません。

ただ、お酒には販売の免許があると聞いたことがある人も多いはずです。酒屋さんの店先に「酒類販売」の文字が掲げられているのを見た覚えもあります。

家にある1本を手放すだけでも、その免許が要るのでしょうか。

国税庁は「お酒に関するQ&A(よくある質問)」の中で、ちょうどこの問いに答えを出しています。この記事では、そのうち販売業免許の問い3つを読み、2026年9月26日の時点の答えを並べます。

扱うのは、免許が要るか要らないかの分かれ目だけです。お酒の値打ちや、どこへ売ると高いかといった話は扱いません。

この記事でわかること
・お酒の販売業には、酒税法で税務署長の免許が要る
・家庭で不要になったお酒をフリマ等に出すような場合は、免許は要らない
・続けて出品して売るなら、フリマの形でも販売業にあたる
・免許は「販売場ごと」に受ける
・売り買いの間に入る「媒介」にも、別の免許がある

家で不要になったお酒を出品するのに、免許は要る?

いただき物のお酒をフリマに出したい。免許がないとだめ?

国税庁の Q&A は、家庭で不要になった酒類を出品するような場合は、販売業免許は必要ないと答えています。

問いは、次のとおりです。

フリマサイトやインターネットオークション等に酒類を出品したいと思いますが、この場合に酒類販売業免許は必要ですか。

答えのうち、家庭のお酒について書かれた部分を引きます。

ただし、例えば、ご自身の飲用目的で購入した又は他者から受贈されたなどの酒類のうち、家庭で不要になった酒類をフリマサイトやインターネットオークション等に出品するような通常継続的な酒類の販売に該当しない場合には、販売業免許は必要ありません。

例として挙がっているのは、自分で飲むつもりで買ったお酒と、人からもらったお酒です。どちらも、家庭で要らなくなったものを出す場面の例です。

同じ答えは、フリマ以外の場面にも触れています。

これは、ガレージショップや学校のバザーなどに酒類を出品する場合も基本的には同じです。

続けて出品すると、どうなる?

何本も出したら、話は変わるの?

同じ答えは、継続して出品し販売するなら、フリマの形でも販売業にあたるとしています。

免許が要らない場合の前に、答えはまず原則を置きます。

酒類の販売業をしようとする場合には、酒税法に基づき、販売場ごとにその販売場の所在地の所轄税務署長から販売業免許を受ける必要があります。

その原則を受けて、フリマなどの形についてはこう続きます。

したがって、フリマサイトやインターネットオークション等のような形態であっても、継続して酒類を出品し販売を行う場合には酒類の販売業に該当し、販売業免許が必要となります。

分かれ目は、出す場所ではなく、続けて売っているかどうかに置かれていました。何本までなら「継続」にあたらないか、という数の線は、この答えには書かれていませんでした。

免許は、誰が、どこで受ける?

お酒を売る免許は、どこに申し込むもの?

別の問いの答えは、販売場ごとに、その所在地の所轄税務署長から受けるものだと説明しています。

「酒類を販売するにはどのような手続が必要ですか。」という問いの答えは、「販売場ごと」の意味をこう書いていました。

「販売場ごと」とは、例えば、本店で販売業免許を受けている場合であっても、支店で酒類の販売業を行おうとする場合には、支店の所在地の所轄税務署長から新たに免許を受ける必要があるということです。

免許を受けるには申請書を出し、審査を受けます。審査で見る点として、答えは次のものを挙げていました。

税務署長が、提出された申請書に基づき申請者の法律の遵守状況や経営の基礎の状況、販売設備の状況などを審査し、これらの要件を満たしていれば販売業免許が付与されることになります。

家にある1本を出す人が、この手続を踏むことは想定されていない書き方です。お酒を買い取って売るお店の側が受けるのが、この免許になります。

売り買いの間に入るだけでも、免許が要る?

自分では売らず、知り合い同士の売り買いをつなぐだけなら?

国税庁の Q&A には、販売の「媒介」にも免許が要るという問いもありました。

「酒類の販売を斡旋する場合、免許は必要ですか。」という問いの答えは、媒介業をこう定義しています。

酒類の販売の媒介業とは、他人間の酒類の売買取引を継続的に媒介(取引の相手方の紹介、意思の伝達又は取引内容の折衝等その取引成立のためにする補助行為をいいます。)することをいい、営利を目的とするかどうかは問いません。

ここでも「継続的に」という語が入ります。もうけを目的にしていなくても当たる、という点も答えの中にあります。

3つの問いを並べると

場面国税庁の Q&A の答え
家庭で不要になった酒類を、フリマ等に出品する通常継続的な販売に該当しない場合、販売業免許は必要ない
フリマ等の形で、継続して出品し販売する酒類の販売業に該当し、販売業免許が必要
他人間の酒類の売買を、継続的に媒介する媒介業の免許が必要(営利目的かどうかは問わない)

表の右の列は、それぞれの答えの文を短く言い換えたものです。元の文は、上の各節の引用で確かめられます。

よくある質問

何本までなら「継続」にあたりませんか

読んだ3つの答えには、本数や回数の線は書かれていませんでした。手元の出品がどちらに当たるかは、この記事では判断していません。

フリマサイトの側が、お酒の出品を決まりで制限していることはありますか

この記事で読んだのは国税庁の Q&A だけで、各サイトの出品のルールは確かめていません。出品の前に、使うサイトのルールをご覧ください。

20歳未満の人に売ってしまったら、どうなりますか

国税庁の Q&A には、酒類販売業者が20歳未満の者に販売して罰金刑に処された場合の、免許の取消しについての問いがあります。この記事では、免許を持たない個人の出品は扱っていません。

この整理が変わる条件

家のお酒を手放す前のめやす
・お酒の販売業には、税務署長の免許が要る
・家庭で不要になったお酒の出品のような場合は、免許は要らない
・続けて出品して売るなら、フリマでも販売業にあたる
・何本までならよいかの線は、Q&A には書かれていない
・売り買いの間に入る媒介にも、別の免許がある

出典

手放す前に、国税庁の最新の Q&A で答えを確かめてください。

当方が上の出典を引いて確かめた日:

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